#007 雨の中ダッシュ

「ほら、行くぞ」

言うなり、弘樹が郁人の腕を掴む。

「ちょ——」

返事をする間もなく、そのまま強引に引っ張られた。

雨の中へ飛び出す。

「待て、弘樹っ……!」

「いいから走れって!」

楽しそうな声。

――弘樹は昔からそうだった。

こっちの都合なんか気にせず、

思いついたらそのまま突っ走る。

距離が近くて、

強引で。

なのに、不思議と振り払えない。

「っ、最悪……!」

文句を言いながらも、結局、郁人はそのまま走っていた。

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