#003 再会

ガチャ、と開けた瞬間——

視界に入った顔に、思考が止まった。

「……いくと?」

気づけば、名前が出ていた。

少し伸びた黒髪

抑えた表情

変わらない雰囲気

一瞬で、記憶と重なる。

呼ばれた相手も、同じように動きを止めている。

「やっぱり、弘樹だったか…」

その声で、確信に変わる。

「うわ、やっぱり郁人じゃん。久しぶりすぎだろ」

自然と笑みがこぼれる。

「郁人、なんでここにいるんだよ?」

「ずっと前から働いてる」

返ってきた声は、どこか面倒そうで。

表情も、あからさまに歓迎している様子はない。

「え、なにその顔。嫌そうじゃん?」

からかうように笑いながら聞くと、

「嫌だよ」

あっさりと、はっきり返される。

「まあまあ、そう言うなって」

軽く肩をすくめて、

「今日からよろしくな、いくと先輩」

わざとらしくそう言ってみせる。

郁人は、ほんの少しだけ困ったように眉を寄せた。

その反応に、弘樹はふっと笑う。

——ああ、この感じ。

昔から、
郁人はこうやって困らせると面白かった。

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