#006 突然の雨

店を出た瞬間、雨がぽつぽつと落ちてきた。

「やば、降ってきたな。駅まで急ごうぜ」

弘樹がそう言って歩き出す。

けれど数歩も進まないうちに、雨脚は一気に強くなった。

「……無理だろ、これ」

郁人は立ち止まり、周りを見渡す。

「どっかで雨宿り——」

言いかけたところで、

弘樹が笑いながら提案する。

「もう濡れてるしさ、いっそびしょ濡れにならない?」

「……は?」

意味が分からず、顔をしかめる。

「どうせならさ、どっちが濡れないか勝負しようぜ」

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