#007 最後の講義

今日で、ハルさんと一緒の講義は最後だ。

講義が終われば夏休みに入ってしまう。

陸は、教室へ向かう足取りが、いつもより重たいのを感じていた。

ここで、ハルさんと隣同士に座ることもなくなる。

そうなれば、もう会うこともなくなるんじゃ…。

いつもの席には、すでにハルが座っていた。

「おはよう、陸」

いつもと変わらない笑顔。

なのに、その変わらなさが、余計に切なかった。

「どうしたの、陸?元気ない…?」

「いいえ、そんなことないです。」

どうしても顔に出てしまう。

同じ講義は今日で終わり。

ハルさんは、何とも思ってないのかな…。

講義が始まっても、内容はほとんど頭に入らなかった。

——終わっちゃうんだ。

たったひとつの講義が終わるだけなのに、自分の中で何か大切なものまで終わってしまう気がした。

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