#003 次の講義も、一緒に

講義のある朝

陸のスマホが、小さく震えた。

表示された名前を見て、思わず息が止まる。

「ハル」

震える指でトークを開く。

『隣の席、とっておいてもらっていい?』

短い一文だった。

それだけなのに、胸の奥が一気に温かくなる。

——また隣に座れるんだ。

自然と顔がほころぶ。

「はい、取っておきます」

送信ボタンを押す指は、前よりも軽かった。

講義室に着くと、陸は同じ席に座り、隣を空けておく。

そこにハルがやってきて、嬉しそうに笑った。

「ありがとう、助かった」

「いえ…」

並んで座ると、不思議と落ち着く。

前よりも会話は増えていた。

講義の内容のこと、ちょっとした雑談、たわいもない話。

「陸ってさ、実はおしゃべりだよね。」

「そうですか?」

「うん。迷惑だったかな?って少し不安だったから。嬉しいよ。」

その言葉に、胸がふっと軽くなる。

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